教文館・聖書館ビル

中央区銀座4-5-1 /1933年竣工 /設計:A. レーモンド /SRC造9階・一部8階



















左: 銀座通り側から見る。1Fは書店として常時賑わっている。屋上のネオンの位置にかつてはアールデコの華麗な塔屋ガあった

右: 松屋通り側、聖書館。上右角に竣工当時からの塔がわずかに見える








銀座4丁目交差点から銀座通り(中央通り)を北へ歩くと、左側には和光、パンの木村屋総本店、山野楽器、ジュエリーのミキモトといった錚々たる老舗や名店が次々に現れ、広い歩道には絶えず様々な人が行き交います。あらゆる年齢層の買い物客、サラリーマンやOL、外国人観光客...。特に山野楽器の周辺の歩道ではTVや雑誌などのメディアが街頭インタビューをしていたり、アマチュアカメラマンが黙々とシャッターを切り続ける光景も珍しくはなく、こういう質の日常が繰り返される街というのは他になかなか無いような気さえします。

さて、ミキモトを過ぎてさらに歩いていくと最初に交差するのが松屋通りです。教文館・聖書館ビルが建っているのは、その松屋通りとの角。角にそってL字型の平面をもち、同じ建物でありながら教文館と聖書館,貸しビルとしての機能は分けて設計された、ちょっと珍しい複合形態のビルです。鉄筋鉄骨コンクリート(SRC)造9階という、当時最先端の構造とデザインをもった高層建築でもありました。

設計者はチェコ生まれのアメリカ人建築家、アントニン・レーモンド。説明は不要なほど有名な人で、かの有名なF. L. ライトと共に来日して以来、第二次大戦中のわずかな期間を除いては日本に留まり、特にモダニズム建築を日本に伝え定着させた点で功績の大きい人物です。

内外装ともに改装が激しく、ちょっと見は戦前のビルとは思えないのが正直な印象ながら、竣工当時の資料によるとアールデコ風な意匠が多く採用され、歴史様式とは異なる装飾性が随所に見られます。現存する部分としては写真下右、聖書館エントランスホールの壁面装飾が好例。本当は屋上銀座通り側(現在American Expressのネオンがある付近)に本格的アールデコのデザインの塔があったのですが、惜しくも撤去されました。(2002年6月記)

左: 聖書館エントランスホール。回転扉は現在と逆に、左右ひとつずつあった。壁の大理石は竣工当時のまま

右上: 聖書館エントランスホールに今も残るアールデコの壁面装飾。草葉模様の反復が可愛らしい

右下: 教文館3階のエレベーターホール。往時の雰囲気を濃厚に残す数少ない部分















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