第一菅原ビル(日本近代建築総覧No. 15487)
中央区銀座7-7-11/1934年竣工 /設計: 吉田享二 /RC造5階
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個人的なことですが、『椿屋珈琲店』はひいきのカフェです。それほど老舗ではないにしても、この店の内装や雰囲気、サービスの質など、たとえウィーンに持っていっても決して恥ずかしくはない...などと勝手に思ったりもします。近所にある老舗ビヤホール、銀座ライオン7丁目店のモザイク壁画の大空間を楽しんだあとは、このカフェでしめるのが近代建築ファンの王道の楽しみ方と言えるかもしれません。ぜひ一度お試しを。 その『椿屋』の入るこのビルは、奇しくもライオンと同じ昭和9(1934)年、菅原電気株式会社のオフィスビルとして竣工。4階以上は今もオフィスとして使っているようです。ちなみに1階には現在うどんのチェーン店『木屋』が入ります。 外観は改装が激しいながらも、上階部分の*スクラッチタイルや複数あしらわれる丸窓、3階〜5階を貫く階段室の縦連窓など特徴のある旧状を残しています。1930年代の建築らしく歴史様式を排したモダンなデザインで、それでいて素っ気なさを感じさせない親しみやすさも兼ね備えてます。内部、椿屋珈琲店の中からはオリジナルの天井や梁も良く見え、壁に貼られた落ち着いた色調のウッドパネルとあいまってカフェに相応しく雰囲気のある空間。カフェと建物との幸せな共存関係がここにあります。(2002年6月記)
*スクラッチタイル: 引っ掻いたような表面のタイルで、平らなタイルとは異なる独特の風合いをもつ。大正から昭和初期にかけて流行した