銀座ビルディング(日本近代建築総覧 No. 15457)解体
中央区銀座3-3-1 /1931年竣工 /設計: 徳永庸/ SRC造8階

1931(昭和6)年、『第一徴兵保険会社』の本社社屋として建設され、同社が戦後『東邦生命』となった後もこのビルは使用され続けてきましたが、1999年6月に同社が経営破たんし、このビルの運命も不透明に。4年後の今年、あえなく取り壊しの憂き目となりました。
古典様式は、信用第一の銀行や保険・証券会社にはよく採用されたスタイルですが、このビルはその中でもかなり濃密な造形が念入りに施されていました。近年に掛けられた防護ネットのせいであまり良くは見えなかったものの、蛇腹にはライオンの顔が規則的に配置されていたり、パラペット部分にはびっしりとアカンサスの葉が並ぶなど、その造作には溜め息が出るほどでした。
解体には反対運動もあったと聞いています。銀座の地価の高さがそれを阻んだのかもしれませんが、銀座が、銀座の名を冠したこの名建築を失ったことはいかにも手痛く、やりきれない気がします。(2003年8月記)