鈴木ビル(日本近代建築総覧 No.15447)
中央区銀座1-28-15 /1929年竣工 /設計: 新定蔵 /RC造4階
築地との境界に近い1丁目のひっそりとした裏通りに建つ小さなオフィスビル。建築設計事務所などが入っています。 ひとめ見たら忘れないファサードです。窓の種類だけで普通の四角い窓から始まって出窓、丸窓、そしてマンサール屋根(腰折れ屋根)の上にも大きな明かり窓が賑々しく4つも並んでいます。張られているタイルも*スクラッチタイルが基本ですが、よく見るとデザインや形の異なるものを何種類も使い分けています。 さらにそれよりも強烈なのが一階部分の丸い柱やその上に配された大きな断片のテラコッタ(焼きもの)で、色といい模様といいなんとも形容しがたいデザインです。 小さな建物に、とにかくいろいろな意匠的実験を詰め込んだというべきこのビル。全体のまとまりが良いとは決して言えないものの、震災復興期という熱気を帯びた時代のある一面を、静かな裏通りに向かって賑やかに語り続けているかのようです。(2002年2月記) *スクラッチタイル: 引っ掻いたような表面のタイルで、平らなタイルとは異なる独特の風合いをもつ。大正から昭和初期にかけて流行した ![]() 一階部分。円柱表面のテラコッタの模様が特異 |
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